財団の紹介


理事長挨拶

 本財団は、「多種多様な生物からなる奥山水源域の天然林が開発されることのないよう、市民が寄付を出し合い買い取り、保全する」というトラスト運動を目的として設立された団体です。

「自然保護は次の社会を担う若い世代が先頭に立って取り組まなければならない」

 そういう思いで高校生の時から自然保護ボランティアに参加してきました。大学院ではイギリス最大の自然保護団体であるナショナル・トラスト(現会員数424万人)を研究し、2004年には訪英してナショナル・トラストの職員との対談や、広大なトラスト地を案内してもらう機会を得ました。そうした中で日本にも国民的トラスト運動の流れを作りたいという思いを強くし、これまで活動して参りました。

 持続可能な開発目標への取り組みが重要視されていますが、私たちの生活から産業や経済成長に至るまで、すべての根本となるのは、生物多様性の保たれた水源の森です。しかしその水源の森が、危機にさらされています。戦後、奥山の広大な自然林が伐採され、スギ・ヒノキの人工林に変えられていきましたが、残されたわずかな自然林においても、異変が起きています。樹木が集団的に枯損する「ナラ枯れ」の現象が見られる地域が広がり、さらには、大規模な太陽光発電施設の建設による自然破壊も、新たな脅威になっているのです。

 

“Knowing is not enough; we must apply. Willing is not enough; we must do.”

   - Johann Wolfgang von Goethe

知ることだけでは充分ではない、それを使わないといけない。

気持ちだけでは充分ではない、行動しないといけない。  ゲーテ

  

 生物多様性の保たれた水源の森こそ、何にも代えがたい次世代への財産です。皆様の善意を豊かな森保全へとつなげ、本財団をいっそう力強く展開させたいと思います。豊かな水源の森保全のために、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

 

理事長 米田 真理子



財団の目的

奥山保全トラストの目的は、「多種多様な生物の生息地であり、清浄な空気と水の源である、奥地の自然林を保全するとともに、多くの人々にその価値を伝えていくことによって、種の多様性の保たれた自然生態系の保全に寄与し、もって自然と人間との共存を実現すること」(定款3条)であり、奥地の自然林=「奥山」を保全する手段としてナショナル・トラスト運動を推進していくことを使命としています。

  

ナショナル・トラスト運動はイギリスで始まった運動であり、歴史的名所や自然的景勝地を市民の寄付により買取り、保全・管理していくことで市民全体の財産として次世代へ継承していくことを目的としています。


あゆみ

(公益財団法人奥山保全トラストの設立の経緯)

かつて日本の奥地には、多種多様な生物にあふれる鬱蒼とした森が広がっていました。そして、この森から湧き出る滋養豊かな水は、あらゆる生き物の生命を育み、農業、林業、漁業、工業、全ての産業を支えてきました。

 

しかし、私たちの祖先が「奥山」として大切に守ってきたその森は、戦後数十年の間に、開発やスギ・ヒノキの拡大造林のためにその多くが破壊されました。このため、様々な野生動植物が絶滅の危機に瀕し、また、生物の多様性を失った日本の「奥山」は、林業不況による放置人工林の増加や地球温暖化の影響も重なり、荒廃の一途をたどっています。

 

また、近年では、世界的な水不足を背景に海外の資本が日本の水源地の森を取得するという事態が発生しています。

 

今、わずかに残る「奥山」の自然林を保全し、広範囲にわたり荒廃した森の再生に早急に取り組まなければ、近い将来、生命と文明の基盤である水源の森は失われてしまうと、私たちは危機感を募らせています。

 

私たちは、十数年にわたる奥山保全活動を続けるなかで、失われつつある「奥山」の豊かな森を残すためには、ナショナル・トラストにより森林を買い取り、永久に開発できないように保全・復元していくことが必要であるという結論に至り、「奥山」のナショナル・トラスト活動を全国に展開し、種の多様性の保たれた豊かな自然を守り、人が自然と共存できる社会を実現することをめざして、平成18年に「NPO法人奥山保全トラスト」を設立し、「奥山」の保全活動を続け、全国に12箇所、合計1,944haの奥山をナショナル・トラスト活動により保全するに至りました。

  

公益財団法人奥山保全トラストは、NPO法人奥山保全トラストが行ってきた奥山水源域の森林のナショナル・トラスト活動による豊かな自然の保全を継承し、さらに推進していくため、財団法人として事業を進めるために、平成272月に設立されました。


役員名簿

当法人は、国家公務員法等の規定に関し、国家公務員であった者が法人の役員として再就職する場合に事前に政府に届出をおこなうことが必要な 「国と特に密接な関係がある法人」に該当しませんので、その旨公表いたします。


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2022年度 貸借対照表
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2021年度 貸借対照表
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2021年度 正味財産増減計算書
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情報公開

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2020年度 貸借対照表
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2020年度 正味財産増減計算書
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